風に揺れる草 星野富弘
2007年 08月 21日
本州、関東は、大変な暑さですね。
沖縄は、最近曇りや雨が多く、夜はまるで秋のような涼しさです。
最近の気候は、地球温暖化というよりも異常気象という感じがします。
やっぱり温暖化が原因なのでしょうか。
今回の問題は、これまで人類が自然に対して行ってきた破壊行為のつけなのかも知れませんが、いずれにしても自然の大きな動きには、まだまだ未知のことが多すぎます。自然の声に耳を傾けて、しっかり対応して行くしかありませんね。とりあえずは、いまこの季節を夏バテしないように乗り切りましょう。もうすぐ秋ですから、もうしばらくの暑さです。
今日の言葉
いつか草が
風に揺れるのを見て
弱さを思った
今日
草が風に揺れるのを見て
強さを知った
星野富弘著「四季抄 風」より
星野さんについては皆さんご存知のことと思います。
学校教師としてクラブ活動指導中の事故で手足の機能を失った困難の中、口で筆をくわえて詩画を書き多くの人々に生きる力を伝えてきた方です。
高校生の頃、彼の本に出会って、とても自分にはそのような強さも生き方も出来ないし受け入れられないと思い、彼の言葉ひとつ一つに感動というより驚いていたことを覚えています。いまなお、読むたびに簡単に感想など言うことも書くことも出来ません。何を言っても、どのように表現しても、単純化と一般化した同情的な表現しか出来ない。それでは、星野さんに失礼だと思ってしまうのです。
でも、今日彼の言葉を紹介したのは、こうして日々元気に生きていても自分の弱さや強さが様々な形となって現れるのが人生なのだと最近つくづく思うからです。
何もかもが上手くゆき順風満帆のときは、自分が強く何でも出来るような思いになる。しかし、逆境のときには自分の弱さが身にしみる。
日頃は、目にもとまらないような道ばたの草花でさえ、雨風にうたれても、夏の日差しにさらされても、それでもしなやかに力強く生きている。そんな草花はなんと強いことか。星野さんの詩や絵を見ていると、心の弱い自分が見えてきて、そんなことを考えてしまいます。
先日、何となく久しぶりに電話した十数年来の友人(大先輩)が、昨日ちょうどあなたのことを話していたのだと前置きをしたあと、
あなたは、新里聡という名前を持っているけれど、あなたは新里聡ではないんだよ。あなたは宇宙から与えられた魂。
何も背負う必要がないし、何にも囚われることはない。
あなたは気を使い過ぎ!
もう誰にも気を使わなくていい。
不義理だといわれようが、だれが何といおうが、あなたは何にも囚われることなくあなたを輝かせればいい。
誰の人生にもいろいろなことがある。
いろいろな喜びや悲しみを越えて、晩年になって多くの人々に大きな影響を及ぼしている方々だっている。心と健康に気をつけて生きて行かなきゃだめ。そして長く人々に影響与えることも素晴らしいことだと知らなきゃ。
どんなことでも腹をくくって、ゆったりと受け止めて生きて行きなさい。
周囲のことも心配することは無い。
それぞれに生きるペースがあるし、物事を悟るペースがある。
きっとそれぞれに分かるから。
相手が怒ろうがすねようが、それもあなたに心を開いて甘えることが出来るからなのだと大きく受け止めなさい。
人間は怒っているときは何とでも言う。
でも、また忘れて生きて行く。
それが親しい仲だから。
大丈夫だから、心配しないで!
ただ、心と体の健康にだけ気をつけて!
食べ物には気をつけて。
命を大切に!
「お元気ですか?」と、夏バテしないように励ますつもりで電話したのですが、逆に励まされてしまいました。でも、かなり心に響きました。
私は、何かいつも気を遣っていて、自分で自分を抑え生きているように見えるようで、何人かの方々から同じようなことを最近言われています。CDを制作したりコンサートをしたり、いろいろと勝手な活動ばかりしていても、何か自己抑圧のようなものが見えてくるのでしょう。でも、本当は大したことなんです。いろいろと考え過ぎなところはありますが、けっこう自由気ままかつ適当に生きていますから。考えようによっては、少し自己抑圧があるくらいがちょうどいいかも知れません。
実は、こういう励ましを受けたということを書くのは、恥ずかしいし何があったのかと思われるのではとも思いましたが、誰だっていろいろなことがあるし、いつも強くは生きていない。この言葉が誰かの励みになればと思って書かせていただきました。
ま、この夏、いろいろなことがあって、何だか人生の不思議をさらに感じながら生きていますが、多くの出会いや出来事に感謝を忘れずに生きて行こうと心を新たにしています。風にしなやかに揺れる草花の強さに見習ってです。
どうぞ皆さんも、心も体も元気で良い毎日を過ごしてください!
さとし